冬 住居の温度差が大きいとヒートショック*の原因となります
2011年に東京都健康長寿医療センター研究所がおこなった調査では、全国で約1万7000人もの人々がヒートショック関連で入浴中に急死にいたった、と報告されました。
交通事故による死亡者数の4倍以上であり、そのうち高齢者は8割を超える1万4000人にもおよんでいます。
*ヒートショックとは、暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与える影響(失神や心筋梗塞など)のことで、場合によっては死にいたるケースもあります。
建物の断熱がカギ!
住居の温熱環境を一定に保つためには、躯体の断熱がポイントです。特に開口部の断熱対策が重要です。なかでも窓は、熱の出入りが大きいため、冷暖房効率に影響するほか、結露によるカビなどの発生から健康被害が現れます。
断熱性能と有病率
住宅の断熱性能が向上することによって、有病率が約50%改善されるという結果が出ています。
断熱は窓から!窓からの熱の出入りを防ぐための工夫です
費用は安く簡単に取り組める方法から、費用は掛かるが効果が高いものから、様々な工夫や対策で断熱効果を高めることができます。
(1)窓やドアのすき間には「すき間テープ」を貼る
100円ショップやホームセンター等で安価に手に入り、窓やドアのすき間に貼ることで熱の出入りを防ぎます。
(2)窓用断熱シート
ホームセンター等で安価に手に入り、水などを使って窓に貼り付け、熱の出入りを防ぎます。
(3)厚手のカーテン
厚手のカーテンに替えると、冬には室内の熱が逃げるのを防ぎます。さらに、床に着く程の長さにすると冷気が入りにくくなり、より効果的です。
(4)内窓の設置
既存の窓の内側に新しく内窓を設置して二重窓にすることで、断熱性能が確保できます。
窓の部屋側の方に簡単に設置することができますので、わりと安価に導入できます。
(5)複層ガラスに変更
複層ガラスの中でも、ガラスとガラスの間が真空になっていたり、ガラスの表面に金属膜をつけ、熱を反射するものなど断熱性能の高いものがあります。費用は高いですが、省エネ効率がとても高いものです。
(6)断熱サッシ
現在最も流通しているサッシはアルミでできています。アルミは熱伝導率が良く、これを樹脂や木製のものに取り換えることで大きな断熱効果が得られます。