移動手段を選ぶことでメタボを防ぎCO2を削減します
国立国際医療研究センター(NCGM)は、日本の労働者2万9,758人を5年間追跡したデータから、徒歩や自転車での通勤、あるいは電車・バスといった公共交通機関を利用した通勤は、体重増加を抑制するのに有利であることを明らかにしました。
下記調査結果では、徒歩や自転車、公共交通機関を利用して通勤をしている人は、肥満度はあまり増加していなかった(0.01kg/m²)。こうした通勤方法に変えた人でも肥満度はそれほど増加していなかった(0.10kg/m²)。 これに対し、マイカーで通勤している人(0.19kg/m²)、あるいはマイカー通勤に替えた人(0.24kg/m²)では、それぞれ増加の傾向がみられた。
※メタボとは、メタボリックシンドロームの略称です。内臓脂肪が増え、生活習慣病や血管の病気になりやすくなっている状態をいいます。
動脈硬化が進行すると、日本人の死因で多い急性心筋梗塞や脳卒中などの血管性病変を発症するリスクが高まります。メタボリックシンドロームは、運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣がもととなって起こります。
移動手段の賢い選択でメタボとCO2の同時解決
自家用車から電車+徒歩に通勤方法を変えた場合、消費カロリーは約1/2、CO2排出量は約1/7!
例)クルマとその他の乗物で移動したときの消費カロリーの比較
クルマで移動した場合の消費カロリー
15km先の目的地との間を1時間で往復する場合
1.7(kcal/分)×60(分)=102(kcal) CO2排出量 3.99kg
電車と徒歩で移動した場合の消費カロリー
「電車」で片道15kmの距離を片道20分電車に乗り、駅までと駅からの 移動をそれぞれ10分ずつ歩いた場合
電車:2.2(kcal/分)×40(分)=88(kcal) CO2排出量 0.54kg
徒歩:3.3(kcal/分)×40(分)=132(kcal)※合計で220(kcal) CO2排出量 0
ちなみに、ご飯茶碗に軽く一杯(約150グラム)は約240キロカロリーになります。
- 国土交通省では、事業所向けにエコ通勤ポータルサイトを設置しています。エコ通勤優良事業所認定制度では、エコ通勤に関し積極的に推進している事業所を認証・登録し、国民へ広く紹介しています。
- 埼玉県はエコ通勤を推奨しています。
宅配便は一回で受け取りましょう
2008年度は約32.1億個だった宅配便の取扱個数は、2017年度には約42.5億個と、ここ10年で3割以上増加しており、急速な伸びを示しています。
再配達は約2割にのぼり、労働力に換算すると、年間約9万人のドライバーの労働力に相当します。
再配達はトラックなどで運ばれる場合がほとんどです。 再配達のトラックから排出されるCO2の量は年間でおよそ42万トン(2015年度国交省調査)と推計されており、宅配便の再配達は地球温暖化の原因になっています。
- 国土交通省:宅配便の再配達削減に向けて
- COOL CHOICE 宅配便できるだけ1回で受け取りませんか
- 埼玉県地球温暖化防止活動推進センターでは、令和2年度テレワークによる宅配便の再配達の状況について調査を行いました。